■チームとしての完成度は広島が上回るも…
ミラーゲーム。同じフォーメーションを採用することからそう呼ばれる広島と浦和の戦い。確かに互いにマッチアップする形になったが、両者の様相は異なっていた。自陣まで引いてから守備を開始する広島と、前線からプレッシャーを掛ける浦和。そのため、しかけているのは浦和のように見えた。
しかし、実際に試合を優位に運んだのは広島。ボールを奪ってから素早く縦へ運ぶと、ディフェンスラインの裏を取ってチャンスを作る。特に右の塩谷とボランチの青山から左の柏、シャドーの茶島への展開でチャンスを作った。浦和は広島の素早い攻撃を受けると次第にファーストプレスの位置が下がり、20分過ぎにペースをつかみかけた時間帯もあったが、チャンスらしいチャンスは作れず。この日、先発起用された李、石原、興梠という前線のトライアングルも思うように機能しなかった。
後半も前半同様、浦和は高い位置からプレスを掛け、47分には李が前線でボールを奪ってチャンスを迎えたが、決め切れず。ペトロヴィッチ監督は56分に李と石原に代えて鈴木とズラタン、64分に橋本に代えて加賀を投入。いずれもポジション変更を伴う交代で流れを変えた。ボランチ・鈴木、シャドー・柏木にすることでチームは安定感を増し、攻撃にリズムが出始める。しかし、試合展開は劇的には変わらなかった。
結果はスコアレスドロー。ただ、両者のチームとしての完成度は明らかに差があった。戦術理解、コンビネーションなどが確立されている広島に対し、浦和は新加入選手の戦術理解や彼らを含めたコンビネーションが確立されるには至っていない。浦和にとってこの試合は引き分けで御の字と捉えるべきだった。一方、広島は多くのチャンスを作っただけに、悔しさの残る勝ち点1となった。( 菊地 正典 )