あまりに静かな前半だった。名古屋はボールを持ってもクサビを打てず、ゴールの迫力を欠いてしまう。それでも長いボールやクロスで相手のラインを押し下げることができればよかったのだが、クロスの精度を欠き、チャンスらしいチャンスを迎えられなかった。すると試合を動かしたのは鹿島。32分、西に自陣深くに侵入されると、このクロスを金崎に頭で合わされ先制点を許してしまう。
公式戦4試合連続で先制を許した名古屋。後半は勇気を持って相手を押し込んで行くものの、縦パスをカットされたところを発端に、50分、52分とカウンターからピンチを招いてしまう。粘りの守備などで失点こそ免れたが、決定機逸を除いたここまでの展開は鹿島の思惑どおりだったかもしれない。あえてゆっくりと堅実な戦いを進めていた前半の鹿島が、後半になって活動量を増やしたことは明らかだった。
そんな戦況を変えたのは一つのセットプレーだった。69分、田口のCKを矢野が頭で決めて名古屋が同点に追い付くと、浮き足立つ鹿島を攻め立てる。もちろん鹿島にもチャンスはあったが、最後の精度を欠きタイムアップ。リーグ戦で未勝利が続く両者の一戦は痛み分けに終わった。( 村本 裕太 )