金沢は最終ラインに4人のCBを並べ、大久保へのロングボールを警戒していた。しかし横浜FCは、前節・栃木戦(1△1)と比べると明らかに長いボールを蹴ってこなかった。9分に松下の直接FKが決まったこともあり、パスサッカーにピッチの幅を使ったサイドチェンジも交え、金沢が築くブロックに左右の揺さぶりをかけていた。金沢はスライドの連続を強いられる中で、中盤のスペースをうまく使われ、相手の2トップに良さを出させてしまった。37分に「自分のファウルから失点したので、取り返そうと思っていた」と、太田がセットプレーから同点ゴールを決めたが、J2で初めて味わう苦しい前半だった。
追い付いてハーフタイムを迎え、本来の試合運びができるかと思われた後半だったが、53分に松下のクロスを大久保に合わせられ失点を喫してしまう。この構えているだけでは許されない状況に森下監督が動く。「リスキーだったが追い付くために前に出ることができた」と、前から積極的にアプローチする守備へ変更。重心が前掛かりになるぶんカウンターを受けたが、高い位置で奪って良い形を作ることができた。
しかし、試合終盤の金沢の猛攻にも、横浜FCに動揺はなく、時間を使い逃げ切りに成功した。前線の組み合わせ変更も含め、プランどおりだったと言うミロシュ・ルス監督は「今日の試合は非常に満足できる」と充実した表情で完勝劇を振り返った。(野中 拓也)