栃木のカウンターの前にパウリーニョが立ちはだかった。21分、23分、30分、32分。“パウリ、摘み取る”。そんな手元のメモ書きがみるみる増えていく。ピッチの横幅68mをカバーするほどの守備範囲の広さと寄せの速さ…。かつての戦友だ。予想はできた。「パウリーニョがボールに食い付いた、その背後を狙う意図はあったが千葉の守備への切り替えの速さや1対1の強さに勝てなかった」(阪倉監督)。ならばパウリーニョを越えようと長いボールも多用したが、トップの阪野は相手CB陣につぶされて起点になれず。こう着して迎えた後半序盤、攻勢を強めた千葉にサイドから崩されて荒堀が痛恨のPKを献上、これを森本に決められた。
栃木は3試合連続で先制点を許す苦しい展開。直後にセットプレーの流れから尾本が同点弾を押し込んだが、その後の千葉の攻勢にラインを下げざるを得ず、80分に中美が「パウリーニョの視線から消えて間で受けて置き去りにするイメージ」から抜け出してカウンターを打ち込んだのが精一杯。確かに栃木の選手たちの「足は最後まで死んでいなかった」(中美)が、思うように攻撃させてもらえなかったという印象が強い。終始光ったのは千葉のリスク管理の安定感。パウリーニョの抜群の存在感だ。(鈴木 康浩)