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[日本代表]FW 宇佐美貴史(G大阪) 待望の代表復帰。青黒の“才能”は、新生・日本代表で輝きを放つのか

2015/3/26 10:30



 2年4カ月ぶりに代表復帰を果たした宇佐美貴史は、そのポテンシャルを考えれば遠回りにも見える足取りだが、本人は確固たる自信を持っていた。

「攻撃的な面は幅広く成長できた。より個性は磨いてきたつもりでいる」

 かつてのサイドアタッカー的なスタイルから、長谷川ガンバではFWとしてシュート力に磨きをかけてきた背番号39は、明治安田J1・1st第3節・甲府戦(2○0)でようやくその輝きを見せ付けた。64分、ゴール前でMF阿部浩之からのパスを受けると振りの鋭いシュートを突き刺した。こぼれ球を詰めたり、PKを決めたりはしてきた和製エースにとって、今季初となる流れの中からの得点は、世界に通じるシュート力を持つ宇佐美の魅力が凝縮したモノだった。人数がそろっていた甲府の守備陣を、文字どおり“個性”でこじ開けた宇佐美だが、日本が慢性的に抱えるゴール前の個の力を解決しうるのがこの希代のシューターである。

 もっとも、宇佐美自身は自らの立ち位置を冷静に見つめている。

「うれしさは多少なりともあるけど、ここからがスタートなので」

 十代のころから期待されてきたその潜在能力を考えれば、23歳を迎えようとしていまだにA代表の出場歴もゼロ。FW本田圭佑やMF香川真司ら海外でも実績を残している強烈な個性とのポジション争いに割って入る資格を得ただけのことなのだ。ゴールを量産しながらもアギーレ体制では招集さえなかったが、「[4-3-3]では(宇佐美)貴史の使う場所は難しい」と長谷川監督も認めるように、運動量と守備時のタスクも今後の課題となる。今季から導入されたトラッキングシステムの走行距離は「気にしない」と言い切る宇佐美だが、課題だったフリーランはすでに昨季から意識している。甲府戦でもFWパトリックに絶妙のパスを送ったあと、長い距離を走り抜いてゴール前に顔を出すなど、プレー面での意識は確実に変わっている。

 宇佐美の良さを最大限に生かすタレントがそろうG大阪とは異なり、日本代表では一つのコマとしてのアピールが始まるが、だからこそ求められるものはそのシュート力である。「代表には入るだけでなく、定着したい。練習からアピールしたい」。言葉ではなく、その右足で指揮官を振り向かせるだけだ。(下薗 昌記)

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