■松本山雅FC
臆する必要はない。松本、狙うは勝利のみ
いま振り返ってみても、昨年の天皇杯3回戦は彼我の差を感じた一戦だった。序盤こそある程度は狙いを持った試合が遂行できていたが、30分以降はFC東京の圧力の前に防戦を強いられ、後半は翻ろうされた。シュート数を見ても、松本の4本に対してFC東京は23本。スコアこそ0-2だったが、それ以上の差が確かにあった。あれから半年が経ち、両者は同カテゴリーとなった。もはや臆する必要はなく、アルウィンの助けを借りて、狙うのは勝利以外にない。
代表ウィークということもあり、FC東京は武藤、森重、太田、権田が不在で“飛車角抜き”の現状。ではそこに付け入るスキはあるかというと、そうではない。
「選手層の厚いビッグクラブ。代表選手の不在も試合での影響は少ないだろう」と反町監督。村山も「逆に言えばアピールの場。何より選手層が厚く、攻撃陣には前田選手や石川選手がいる」と警戒する。事実、ナビスコカップ第1節(2○1)では、石川と林のゴールで新潟に逆転勝利。誰が出てきても厳しい試合になることは間違いなさそうだ。
相対する松本はというと、先発起用の11名の顔ぶれがまったく読めない。試合前後の日程に余裕があることから、先の清水戦のメンバーを踏襲するものと予想されるが、指揮官は「まだ決めていないが、常にベストメンバーを選ぶのがオレの仕事。全部代えればいいものではないが、ウチには安泰な選手は誰もいないし、競争心を煽らないといけない」とキッパリ。だとすれば、鳥栖戦のような抜擢もありえる。鐡戸や柴田らが好調を維持しており、その候補となりそう。どの11名が指揮官の言うベストメンバーとなるのか、その点も試合の趨勢を分けそうだ。(多岐 太宿)
■FC東京
代表招集と負傷で8人離脱。問われる底力
FC東京のマッシモ・フィッカデンティ監督は、松本との一戦に向けてこう語った。
「週末に向けては様子を見なければいけない。現在、代表6人に加え、林と平山を含めると8人は出場が難しい状態だからだ」
今節は日本代表に選出されているGK権田、DF森重、太田、FW武藤と、U-22日本代表のDF奈良、MF中島が不在。さらに負傷のFW平山、林が別メニューのため、8選手を欠く。石川についても「神戸戦で打撲を負って出血が見られた。出場に関してはまだ半々。数日あるので判断したい」と言う。
一方で「新たに出場する選手は、ピッチに立つにふさわしいプレーをしてほしい」とも語った。
メンバーは、22日の明治安田J1・1st第3節神戸戦でベンチスタートとなった前田の先発復帰が濃厚。本人も「松本はスゴイ観客の中でやりがいがある」と移籍後初ゴールに意欲を示している。
また、加入組では、榎本が移籍後初出場を果たしそうだ。「常に良い準備を心掛けてきた」という守護神は青赤のゴールマウスを守る。「1試合で人生が変わってしまうこともある。勝負にも自分のプレーにもこだわりたい」と、その背中で若手選手に語りかけるはずだ。
代表組不在の中で臨むが、米本は「負けて良い試合などない」と言って続けた。「(公式戦2連勝の)良い流れを途絶えさせてはいけない。代表が戻って来てもポジションがないというくらいの活躍をしたい。そうすればチームは強くなっていく」。
“不在の在”を痛感した昨季のナビスコカップは、森重、権田を欠いて予選リーグ敗退に終わっている。米本は「今年は『いないけど勝った』と言われたい」と力強く語った。(馬場 康平)