ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「異なるオーガナイズを準備する」と語る中盤は大きくトップ下とボランチに分かれ、前者は香川真司と清武弘嗣であると想定される。チュニジア戦でスタートから採用するシステムが[4-3-3]ならば中盤の3枚のうち一人は香川か、清武ということになるだろう。
今回のメンバーでボランチが本職の選手は5人。メンバー発表時にハリルホジッチ監督が読み上げたリストに従えば、右が長谷部誠、柴崎岳、今野泰幸、左が青山敏弘、山口蛍となるが、プレーメーカー色の強い青山と柴崎がライバル関係になる構図も考えられる。
ボランチの基本コンセプトはシンプルに素早くボールをつなぎ、効率よく相手DFの裏を突くこと。もちろんチャンスがあれば前線に直接縦パスを入れたり、ゴール前への飛び出しも要求されるだろう。メンバーの中でも縦パスは青山、飛び出しは山口が得意とするプレーだが、柴崎は両方で高い貢献が期待できる。また“異なるオーガナイズ”の守備的な形を[4-1-4-1]とするならば、アンカーのポジションは長谷部と今野にアドバンテージがあるかもしれない。
ただし、ボランチにとって最も大事なのは戦術的な役割をどこまで理解し、試合の中で実行できるかどうかにある。ハリルホジッチ監督が日本の課題に挙げる、ボールを回しながら攻撃に人数を掛け過ぎカウンターを招きやすい問題などに取り組み、改善に導けるかどうか。そうした戦術理解や意識も評価のポイントであり、合宿や試合を通じて指揮官がチェックするはずだ。
今後、チーム内の序列はいくらでも変わるだろう。ただ、この2試合のパフォーマンスが良かった選手が、攻守の軸となるボランチのポジション争いで大きくリードするのは確かだ。(河治 良幸)