武藤嘉紀、永井謙佑、宇佐美貴史。代表新時代の到来を予感させる、いまJリーグを沸かせる才能たちである。ハリルジャパンでまず求められるのが、縦への推進力。これに関しては、馬力ある突破の武藤、爆発的なスピードを持つ永井、テクニックを生かしながらボールを運ぶ宇佐美と、全員が適性能力を持つ。
アギーレジャパンから継続して選出された武藤。FC東京では2トップの一角でプレーするが、代表ではサイドを任される。「本来のスタイルはサイドの選手。そこは切り替えられている」。また今季J1での得点はすべて試合終盤に奪っている。豊富なスタミナも魅力だ。「最後まで走るのが自分の持ち味。代表でも泥臭く、ですね」。その笑顔に似わない無骨なプレーを代表でも表現できれば、ポジション奪取に近付くはずだ。
縦に速い攻撃を最も連想しやすい選手は永井だ。言わずと知れた50mを5秒8で走る韋駄天。指揮官も会見で「彼はいまの日本に足りないスピードをチームにもたらす」と具体的に言及したほどである。加えて、献身的な守備も特長。果敢なプレスでDFに迫り、ボールを奪ってそのままゴールを陥れるプレーは十八番でもある。「自分は守備でリズムを作るタイプ。追いかけて相手をあたふたさせるのも好き(笑)」。世界にも脅威を与えられるスピードをフル回転させれば、存在自体がチーム戦術の一つに成り得るだろう。
「攻めるだけでは起用されない」。これが宇佐美が実際に触れて抱いた、ハリルホジッチ監督のサッカーの印象だ。「守備の細かさは今までの監督にないぐらいのことを要求されている」とも語る。守備が得意とは言えない宇佐美がライバルよりも先んじるためには、いかに攻守のバランスの“落としどころ”を見付けられるかにある。「守りつつも自分の特長をチームのやり方に溶け込ませないと。それができなければ、このサッカーで自分の良さは出せない」。技術は一級品。彼にとって代表での競争は、現代サッカーと自分の生きる道の整合性を図っていく作業にも重なる。
代表合流の直前、武藤はこう話していた。「みんなライバル。でも僕たちが今後は代表の“核”となって、先輩を越えていく存在にならないといけない」。才能は誰もが認める3人。この新たな個性のぶつかり合いこそが、再度世界に挑戦する日本に勢いをもたらす。(西川 結城)