広島は立ち上がりから苦しんだ。新潟のマンツーマンの守備にはめ込まれ、敵陣へ進入できないまま多くの時間を過ごした。「球際、フィジカル、切り替えで相手に押されていた」(森保監督)中で、個々のプレーの質を高く保ちながら連動してマンツーマンをはがしていく必要があったが、A代表とU-22代表の4選手(青山、水本、浅野、野津田)が抜けた影響は大きく、連動した攻撃は生まれない。ドウグラス、皆川を投入して前線のパワーを高めても、流れを変えることはできなかった。
一方、ハードな守備で相手のサッカーを封じてボールを保持した新潟だったが、アタッキングゾーンで決定打を放てない。レオ・シルバが強引な中央突破を試みてチャンスを作り、ラファエル・シルバも後半はギアを一段上げてゴールへ迫ったが、ポストやバーに阻まれてゴールネットを揺らせなかった。「あれだけチャンスがあったのだから、点を取らないと勝てない」(柳下監督)。広島の守備ブロックを打ち破るフィニッシュの精度、パワーを発揮することはできず、攻撃の手数、厚みも不足していた。
消化不良の90分間を過ごした両チーム。選手たちは試合後になんとも言えない複雑な表情を浮かべていた。(寺田 弘幸)