この日の本城陸上競技場に集まった北九州サポーターは見慣れた戦いぶりと見慣れない戦いぶりを目にすることになった。見慣れているのは、粘り強く守って失点を回避、相手が疲れて生まれたスキを逃さず得点を挙げ、終盤の猛攻にも耐えて勝利を手にする展開。それは昨季の好成績につなげた北九州の十八番であり、今季も継続していたスタイル。しかしこの日、そんな戦いを見せたのは群馬だった。北九州のサポーターは見慣れた試合運びを前に敗戦の悔しさを味わうことになったのだ。
しかし、北九州サポーターが見慣れない展開に前のめりになったことも事実だ。この日、北九州が放ったシュート数は16本。昨季の1試合平均がリーグ最少の約8本だったから、その倍の見せ場に心は躍ったはず。だが同時に、同じ数だけの失望も味わった。風間の精度の高い縦パスから何度も決定機を作り出すが決まらない。「少ないチャンスが生まれるまでじっと我慢をし続けるのも大変だが、期待を持たせながらついぞ喜びを爆発させることができないフラストレーションも悩ましい」。帰路につきながらそんなふうに考えた北九州サポーターも多かったのではないか。ただ、「たくさんのチャンスを作れたことをポジティブに捉えて気持ちを切り替えたい」という風間の言葉を聞けば、少しは気が晴れるはずだ。(島田 徹)