両チームにとって意味合いの異なるドロー
内容で言えば、あまりに一方的な前半だった。
大宮は開始2分で清水慎がペナルティーエリア内で放ったシュートを皮切りに、次々と札幌ゴールへと迫るシーンを作り出す。ビルドアップ時のポジション取りによって札幌の陣形にズレを生み出し、そこを突く形が機能。金澤は「意図的に崩そうとしたところはかなりの回数で崩せた」と振り返る。しかし同時に「結果的にゴールに結び付いてはいなかった」(金澤)のも事実。そんな流れに危険が潜むのは、サッカーの鉄則だ。
15分、古田の強引な突破で奪われた右CKからPKを取られ、大宮は終始攻勢ながら先制点を許す展開となる。26分には横谷が加入後初得点となる直接FKで同点としたものの、結局、前半を終えた時点でのスコアは1-1。大宮は、攻め続けた前半の45分間で差を付けられなかった。
札幌・バルバリッチ監督は前半の自チームを見て「最終ラインが相手のクサビに落ちていく選手、バイタルエリアに顔を出す選手をつかまえられず、スライドも遅かった」と捉え、後半に向けて修正を施す。これが効果を現し、前半はクサビの受け手としてチャンスを量産した横谷も、「後半になるとなかなか自分の欲しいところで受けられなかった」と悔やむ試合内容になった。それでも大宮がボールを持つ展開は変わらず、特に61分のパウロン退場後は主にサイドから攻め立てた。しかし肝心の中央を割れず、最後までスコアは1-1から動かなかった。
大宮は取れたはずの勝ち点2を失い、札幌は劣勢の中で勝ち点1をつかみ取る――。互いにとってまるで異なる意味合いを持つドローとなった。(片村 光博)