キックオフから自陣で守備を固める讃岐を、京都が最後まで攻めあぐねた試合だった。ボール支配率では圧倒的に上回ったが、スペースがない状況を打開できない。カウンターから先制点を奪われる中、3連敗という最悪のシナリオはなんとか回避できたが、あらためて攻撃の課題を突き付けられている。
讃岐の北野監督は85分のPKにつながった場面を「大きな事故を起こしてしまった」と表現した。右サイドでしかけた駒井のクロスが讃岐の山本の腕に当たったモノで、粘り強く敵陣を攻め続けたことが功を奏したと言える。ファン・ジンソン投入後はボールがスムーズに動くようになり、サイドへの展開からのクロスだけでなく、前線への縦パスを増やすことで相手に圧力を与え続けた。ただし、意図を持って崩せたシーンは少なく、偶発的な事故が起こらなければ無得点だった可能性は否定できない。
思い出されるのは、2月のキャンプ中に行われた讃岐との練習試合だ。5バックの讃岐に対して、京都は左サイドで駒井、福村、原川が連動した攻撃で決定機を演出したが、これは大木元監督の遺産だ。それらが人材の流出と時間の経過により失われていく中、いかに攻撃を構築していくのか。問題は根深い。(雨堤 俊祐)