大胆に攻めろ。指揮官の刺激が大量得点を呼ぶ
「大胆に攻めろ」。指揮官がこの一戦に向けて選手たちに強調したのは、このポイントだった。27日に行われたチュニジア戦でも、縦に、前に速く攻めていく変化は見られた。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、さらにその方向性を強めていくよう指示した。「奪ったボールを敵の守備がタフなゾーンから速く出す。正確に、速いパスを通すこと。ペナルティーエリア近辺ではもっと積極的にしかける必要がある」。さらに最後に付け加えたのが、シュートへの意識だった。「ミドルシュートも、25〜30mからでも狙ってほしい」。
その要求は結果として表れた。6分、青山敏弘がCKのこぼれ球を右足でミート。ミドルシュートが突き刺さった。「ダイレクトに縦を狙えるか。それが一番楽しみ」。そう話して試合に臨んだが、パスではなくシュートになってその意識が開花した。
ウズベキスタンも曲者ぶりを発揮し、その後の展開は一進一退となった。そこで追加点を生んだのは、かつて清水でともにプレーした太田宏介と岡崎慎司。太田自慢の左足クロスを日本のストライカーが十八番のダイビングヘッドで決めた。指揮官の指示の下、前日練習で何度も繰り返したサイド攻撃。最高の形となって表れ、80分には柴崎岳も決めた。
その後、ゴール前の混戦から失点を喫してしまったが、嫌な空気を打破したのが宇佐美貴史。ゴール前でボールを受けると一気にギアを上げ、眼前のDFたちを置き去りに。右足を振り抜き、代表初ゴールを挙げた。 最後には川又堅碁が決めて、勝負あり。終わってみれば大量得点での勝利となった。ゴールを振り返ると、いずれも指揮官が選手に刺激を与えた攻撃的な指示が奏功した。「大胆に攻めろ」。5回も訪れた歓喜こそが、その指令を遂行できた証明である。(西川 結城)