反町監督は浦和について、率直に「強い」と語る。
「 失点が少ない。これはやはり(西川)周作の存在が大きいだろう。あと、これまでに比べてセットプレーの守備もしっかり対応してきている」
セットプレー時の守備について指揮官が触れたということは、逆に言えば松本が埼スタでアップセットを起こすために「いかにワンチャンスを生かそうか」と考え抜いているからだろう。
ほんの一瞬の綻びを突くのは松本の専売特許だが、指揮官の頭を悩ませるポイントが一つある。浦和の1トップに誰が起用されるかだ。エースの興梠は離脱しており、コンディションは完調とは言えない。強行出場の可能性はあるものの、わずか4日後にACL第4節・北京国安戦が控えている。前線には果たして誰が起用されるか。「ズラタンが出てきたほうが困る。(セットプレー時に)ズラタン、那須、槙野、阿部と並ぶと高さで上回れなくなる」とは反町監督の弁。浦和の戦術にまだフィットし切れていないズラタンだが、パワープレー時の強さは紛れもなく厄介だ。
ここに今節の出場が不透明な喜山の状態も絡んでくる。3月28日のナビスコカップ予選リーグ第2節・FC東京戦(1△1)の試合中に足を痛めて途中で退いた喜山は、今週のトレーニングでは別メニュー調整となっている。運動量豊富な中盤のファイターは空中戦にも強く、セットプレー時のエアバトルにも欠かせぬ存在だった。もし喜山が欠場となれば代役として予想されるのは柴田になるが、自ずと戦い方も変えざるを得ない。あるいは前線の岩上を一枚落として、前田の先発起用なども考えられる。百戦錬磨の指揮官同士によるにらみ合いは、試合直前まで続けられそうだ。(多岐 太宿)