■金園+セットプレー+数的優位で仙台が押し切る
なかなかまわしが取れない。組まない。突き押しに頼った力士同士の相撲のような展開が続き、最後に押し切ったのは仙台だった。
前半は清水の時間帯だった。「前半はある程度試合をコントロールできて、押し込まれながらも最後のところははじいて、ボールに行くようになっていた」という大榎監督の評価どおりに、清水が立ち上がりから前への圧力を強めていた。
仙台は1対1の競り合いでは劣らなかったものの、その先にボールがつながらない。12分には白崎に鮮やかなゴールを許し、45分間を低調なままで終えた。「『奪われたらもっと高い位置から奪いに行こう』という話をした」(渡部)という後半は、仙台の守備が落ち着き、清水の勢いが徐々に落ちる。そして双方攻撃を組み立てられない中で、前への圧力で勝負する時間が続いたが、徐々に仙台の圧力が強まった。まずは61分、渡邉監督は「サイドのスペースに流れ込んで起点を作る。ゾノ(金園)が競ってこぼれ球を拾うほうが前向きの力が発揮できる狙いもあった」と金園を投入。これで推進力が加わった仙台は、早速62分にCKを獲得した。するとそれまで流れの中で抑えられていたウイルソンが、鎌田の流したボールを押し込んで同点。
さらに、劣勢となって対応が遅れてきた清水に対し、警告が頻発。79分にはヤコヴィッチが2度目の警告で、92分には途中投入の河井が一発退場となった。すると95分、プレッシャーの掛からなくなった野沢が送ったロングボールを、櫛引がキャッチミス。これを、数的優位のため前線に残っていた渡部が素早く蹴り込んで、荒れた試合に決着を付けた。(板垣 晴朗)