■訪れた決定機を確実に決めた川崎F
4-1というスコアを見れば川崎Fの“圧勝”と表現したいところだが、内実はそうでもない。「実際に、点差ほどラクなゲームではなかった」と風間監督も振り返る。シュート本数を見ても川崎Fの5本に対して、新潟が7本。勝利した川崎Fのほうがチャンスは少なく、新潟のサイド攻撃に押し込まれる場面も目立った。ただ、それでも川崎Fが勝ち点3を獲得できたのは訪れた決定機を確実に決め切ったからこそだった。これに尽きる。“川崎Fの攻撃力の高さ”を証明した一戦と言える。「前半も後半も立ち上がりはすごく良かった」と新潟のラファエル・シルバが振り返ったように、明確な“自分たちの時間帯”を長く作ったのは新潟だった。川崎Fに対してマンツーマンで対応し、スペースを与えず、攻撃ではレオ・シルバと小林を中心にピッチの幅を広く使い相手を押し込んだ。
しかし、川崎Fは圧力を受けながらも耐え続け、22分に訪れたファーストチャンスを杉本が沈めて先制。「(相手の)セットプレーも続いたし苦しい時間だったけど、フロンターレは前線に良い選手がそろっているので。絶対に点を取ってくれると思っていた」。最終ラインで守備に奮闘していた車屋がこう語るように、攻撃陣が期待に応えた。一方の新潟は自分たちの時間を作りながら、一瞬のスキを突かれ、先制点を許してしまった。
すると、この失点により新潟は守備時の強度が落ち始め、川崎Fにスペースを与えてしまう。そうなると「川崎Fの攻撃陣を止めるのは難しい」(柳下監督)。58分にレナトがワールドクラスの4人抜きシュートを決めると、71分と87分にはエース・大久保がGKとの1対1を制し、点差を広げる。対する新潟はラファエル・シルバが個人技で1点を返すものの、その後は続かなかった。
川崎Fの攻撃の質が際立った一戦。ただ、重要なのは、この試合を“基準”としてさらなる上積みができるかどうかだ。(竹中 玲央奈)