愛媛は3連敗を喫している間、ボールをつないでリズムを作るパスサッカーを完全に見失っていたが、この試合でそのサッカーを思い起こすことができたようだ。決して理想的なゲームではなかったが、縦の距離感をコンパクトに保ち、常に複数のパスコースを作ってリズム良くボールを回すことで相手のプレスを回避。そうなれば、高さを犠牲にしてでも起用されている170cmの“最小CB”江口の展開力が生きてくる。大分戦では丁寧にビルドアップしつつ、随所で前線の裏のスペースを狙う攻撃が奏功した。4戦ぶりの“らしい”サッカーを取り戻したことで選手たちの自信も復活。体格で上回る大分に対しても当たり負けせず、大分の持ち味であるアグレッシブなサイドの攻防では逆に相手を後手に回らせる場面も多かった。
54分、ショートカウンターから一気に押し込むと、左サイドから三原のクロスを“大分キラー”の河原が頭で合わせて先制に成功。80分にはCKから玉林が追加点を奪った。チームの課題であったセットプレーでの守備もこれまでのゾーンからマンツーマンに変更し、集中力は最後まで途切れなかった。
一方の大分はセカンドボールを満足に拾えず、終始攻守でギクシャク。それでも個のクオリティーの高さから絶好機を作ったが、最後の精度を欠いてゴールを奪えなかった。前節・岐阜戦の6得点で好転しかけていた攻撃面に再び暗雲が立ちこめる結果となった。(松本 隆志)