■セレッソ大阪
昇格組にも気を引き締め必殺パターンで仕留める
今節・金沢戦は、今季初の金鳥スタでの開催となる。8日は一般非公開の下、「感触を確かめるため」(パウロ・アウトゥオリ監督)に同スタジアムで練習を行った。「相変わらず(スタンドと)近い」と、茂庭が懐かしそうに話せば、新加入の関口は、「プレーしやすいピッチ。お客さんが入ったら雰囲気も素晴らしいと思う」と試合を待ち望む。相手の金沢はJ3からの昇格チームながら、ここまで4勝2敗の5位。「この順位にいるということは、チームとしての強みがある」と染谷は気を引き締める。
第3節・岡山戦(1△1)以降、アウトゥオリ監督はフォルランとカカウの同時起用を続けている。守備でのリスクはある一方、両者は得点を重ね、状態も上がってきた。第4節の横浜FC戦(2○0)からの3試合は、前半は相手に主導権を握られながらも無失点でしのぎ、スペースが空き始めた後半に攻撃陣が躍動する流れが続いている。今節も、序盤は勢いある金沢の攻撃をしのぎつつ、時間の経過とともにフォルラン、カカウ、玉田らによる魅惑のショータイムにつなげる必勝パターンがさく裂するか。
そしてリードすれば、茂庭や橋本がクローザーとして投入され、試合を締める役割を果たす。結果が出ているから“すべて良し”とは言い切れない部分もあり、前半から内容も求めていきたいところではある。ただ、「失点ゼロで防げば前が点を取ってくれる」(染谷)、「前の選手には攻撃で力を使ってもらいたい」(山下)とCBの二人が話すように、攻守の信頼関係を構築しながら、チームとしてのまとまりを見せている点は、アウトゥオリ監督の手腕の高さだろう。今節、勝ち点で並ぶ金沢を倒し、上位をキープしたい。(小田 尚史)
■ツエーゲン金沢
たとえ転んだとしても、失うモノは何もない
「守備の部分で非常に安定していて、良いボールの奪い方ができている」と森下監督は3連勝の要因を語る。確かに昨季構築された堅守は健在だ。しかし、それは単なる[4-4-2]のブロック守備からの“縦ポン”ではない。相手に応じてブロックの位置を微調整することはあるものの、良い攻撃をするための積極的な守備が目立つ。
金沢は、3月20日の第3節で横浜FC戦に1-2で敗れた翌週、守備組織が揺さぶられた際の対応を確認した。また、相手のボール回しに対してFWやサイドの選手がけん制に行くタイミングや、奪ってからのサポートを意識付けた。この練習の途中から、2列目での起用が続いていた佐藤が1列位置を上げ、水永と2トップを組んだ。奪ったらまずは縦を意識してゴールへの最短距離を目指す。そこにはハリルジャパンの趣を部分的に感じることさえできる。もちろん「速攻と遅攻の判断も悪くない」(森下監督)。
「みんなで戦っていけたら」と水永が語るように、90分間を11人で組織的に戦えるのは金沢の強みだ。C大阪は前線にW杯得点経験者を並べているが、前後分断のサッカーになっている感は否めない。“外国籍選手頼み”のサッカーとも言えるだろう。ゆえにC大阪は、89分間眠っていても、一瞬の仕事で試合を決める。逆に金沢は、90分間献身を尽くし、数少ないチャンスに懸ける。相手をリスペクトしつつもこれは勝負事。フォルランとの対戦を楽しみにする作田は「同じステージにいる限りは何が起こるか分からない」と話す。
勝利の歌、さくら満開を聞きに行くわけではない。ブロックでも、フロックでもないことを証明するために――。いざゆかん、花見にころぶところまで。(野中 拓也)