複数の決定機を仕留めることができず、相手には少ない好機を決めさせてしまう。押しながら結果を逃し続けてこの順位にいるのが、今季の大分だ。
今節は特にその“弱さ”が際立った。チーム戦術の意図は見えるのだが、勝てないことによる焦りからかプレーが雑になり精度が足りない。個々の献身的な姿勢も組織の力へと結実していなかった。
昨季7位だったチームの面影は微塵も見られない。昨季の戦術の主軸を中心に約半数の戦力を手放し、積み上げた経験値をリセットしてスタートした今季、組織の熟成に時間がかかるのは覚悟していた。開幕後に慌ただしく移籍加入と放出を繰り返したことも、チームの落ち着きを乱した感は否めない。
さらにこの試合では、大分と福岡の双方に、微妙なジャッジで好機を逸した場面があった。
ただ、そういった逆風にも立ち向かい、押し戻していく強さを持たなくては、勝利はつかめない。大分の運動量が落ちる後半を狙い「勝つためのサッカー」に徹した福岡は、56分に末吉のFKによる先制で相手の肩を落とさせ、67分には城後の今季初得点で勝ち点3を手繰り寄せた。5回の警告が表す球際での激しさも、大分の士気を削いだ。
94分に意地を見せた高松はセンターサークルでボールをセットしながら仲間を鼓舞した。この気持ちをいま、全員が持てるか否か。大分の正念場だ。(ひぐらし ひなつ)