課題を露呈。どうにか勝ち点1を拾ったトリコロール
どちらのゴールシーンもGKにとってはノーチャンスだった。「自分が上がっても誰かがカバーしてくれているという安心感がある」という思いであの位置に上がっていた仙台のCB鎌田。そして横浜FMはセットプレーの残りで前線にいたファビオが、いずれもファインゴールを叩き込んだ。DFの寄せが甘かったことを指摘するよりも、守備の選手がシューターとして輝いたことを褒め称えるべきだろう。そして先制を許した展開や、追い付いた時間帯を考えると、横浜FMはどうにか勝ち点1を拾ったという見方が正しい。
むしろ勝機を見いだすとすれば「悪いサッカーをしていたとは思わない」と栗原が言い切る前半だった。4分、自陣での喜田のボールカットからアデミウソンが単独でカウンターに持ち込み、最後は齋藤がエリア内に進入した。7分にはアデミウソンが喜田とのワンツーから左サイドを突破し、際どいクロスを入れる。いずれも決定機と呼べるシーンで、最後のワンプッシュが足りなかった。守っても組織的なブロックを作り、仙台にチャンスを作らせない。流れが良かったことを自覚していただけに「早めに決着を付けたかった」という兵藤の言葉は本音だろう。
時間経過とともにロングボールを駆使して攻める仙台の土俵に乗ってしまった印象は拭い切れない。それとともに横浜FMは全体が間延びし、距離感を保てなくなった。それは攻撃の軸であるアデミウソンの孤立を招き、選手交代で伊藤や矢島を投入しても解消できなかった。システム変更によって守備のバランスを崩した場面もあり、戦い方のバリエーションを増やしていくという課題に直面している。
ただし、反省の多い試合を勝ち点ゼロで終わらなかったのは大きい。次につなげたいドローだ。(藤井 雅彦)