
ロンドン五輪アジア最終予選(2002年2月)でシリアと対戦。中立地開催となったアウェイ戦でU-23日本は敗れている。
組み分けに多少恵まれたというのが率直な印象だ。サウジアラビア、北朝鮮といった難敵を避けることができたのは幸運だった。
もちろん楽観はできない。直接のライバルとなりうるシリアとアフガニスタンとのアウェイ戦は中立地開催になる可能性が極めて高いが、日本にとって首位突破のカギを握るのはその2カ国との“アウェイ”が続く3、4試合目だ。
9月3日にホームでカンボジアと対戦してからの遠征となるアウェイ・アフガニスタン戦、現時点で会場を絞り込むのは難しいが、中央アジアにしても中東にしても、試合後の回復、長距離移動、環境適応をうまくできないとフィジカル能力の高いアフガニスタンに大苦戦を強いられる危険もある。アフガニスタンは母国が紛争状態にありながら、他国でプレーする移民選手を積極的に招集することで急速に成長している。近い将来にもアジアの列強に割って入る可能性のある国だ。ドイツ人のスケレディッチ監督は主にフランクフルトの下部組織で指導してきた実績を持ち、代表監督の経験は浅いものの、身体能力の高い選手たちに戦術を植え付けている。
シリアは4年前のアジア杯で対戦し、最終的に2-1で勝利したものの、不可解な判定も含めてギリギリまで追い詰められた相手だ。さらには中立地のヨルダンで行われたロンドン五輪の予選で1-2と敗れている。そのときU-23代表だった権田修一ら6人が先日の代表メンバーに入っており、ある意味でリベンジの機会になる。シリアも長らく外国人監督に頼ってきたが、昨年からシリア人のアル・シャール監督がチームを率いている。GKバルフスなど4年前のアジア杯の中心メンバーに加えて、22歳のMFミドなど若手が台頭してきている。サイドを崩してクロスを入れてくる主な攻撃の形はシンプルだが、日本のディフェンスが対応を苦手としている形である。
最も大事なのは無事に予選を突破することだが、欲を言えば最後のホーム2試合で思い切った選手起用を可能とするためにも、前半戦をすべて勝って後半戦につなげていきたいところ。前回予選の清武弘嗣がそうであったように、新戦力がチームの予選突破に大きく貢献できれば、その後にもつながる。勝利を目指す中でも、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督には可能性のある選手の積極的な起用を期待したい。 ( 河治 良幸)