■焦ることなく試合を進め、ようやく見せた浦和らしさ
決してラクな勝利ではなかった。横浜FMが前から掛けてくるプレッシャーをかわしながらボールを支配し、チャンスを作るものの決め切れず。カウンターからピンチを招き、先制を許す。そのまま苦しい展開になることも予想された。しかし、浦和は焦ることなく自分たちのペースで試合を進めた。「立ち上がりは割とルーズだったけど、三門選手とかが僕をケアするようになった」。梅崎がそう話すように、相手のボランチがケアしたことにより、シャドーにボールが入れにくかった。シャドーにボールが入らなければ、前線でコンビネーションを使うことは難しい。ただ、この試合ではチーム全体としての攻撃のコンビネーションが機能していた。シャドーにボールが入れ難い一方で、柏木が積極的に高い位置を取って攻撃に絡んでいく。ボランチの柏木が中盤で相手のマークを引っ張ることで那須や阿部がボールを持ち運びやすくなると同時に、彼らが持ち運ぶことで柏木が高い位置を取りやすい相乗効果も生まれた。右サイドでは関根の突破と森脇のサポート、左サイドは槙野と宇賀神の連係で相手を崩していく。そして42分に武藤、前半ロスタイムに梅崎がゴールを決め、前半のうちに同点ばかりか逆転に成功した。
後半はリードしている状況で余裕を持った試合運びができた上、攻守の切り替えも速く、52分に阿部がゴール前でボールをかき出すあわやのシーンもあったが、それ以外はチャンスを作らせなかった。「なんで3点目が取れなかったのかなっていうぐらい」という柏木のコメントが妥当と言える展開だった。
ミスから失点していること、ペトロヴィッチ監督が言うように決定機で決められないことやチャンスになりそうな場面でミスをしていることなど、改善点はある。ただ、リーグ戦では結果を残しながらも思うようなサッカーが展開できない試合が続いた中で、ようやく浦和らしいサッカーを見せたと同時に、今後への期待も持たせる勝利だった。(菊地 正典)