■千両役者・宇佐美の一撃。その後はカウンターで試合をコントロール
千両役者の一撃が、今年3度目の1万4千人を超える満員のBMWスタジアム平塚で、喜ぶアウェイスタンドと静まるホームスタンドのコントラストを作り出した。
G大阪が湘南の動きに対応を見せ始めた26分に試合は動く。ショートCKの流れから米倉がシュートを放つと、そのこぼれ球に反応したのはエース宇佐美。「CKからの流れで動き直しを繰り返していたからこそ、あそこにいられた」。ゴールへの意識、ボールへの嗅覚、ボールを引き寄せる動きの質。そのすべてがゴールを奪うために逆算された動き。「単にこぼれ球を押し込んだプレーだとは思っていない」。さらなる成長を続ける22歳の、偶然ではなく必然のポジショニングが、決勝ゴールを呼び込んだ。
立ち上がりのG大阪は、警戒していた湘南の入りの良さに苦しめられた。湘南の前からのプレッシングに対して、両サイドの選手が最終ラインまで引っ張られ、相手のボランチをフリーにするシーンが散見した。15分、16分と立て続けに中央から左サイドに展開される形でチャンスを作られてしまった場面も、湘南の精度の低さに助けられたが、ゴールまであと一歩のところまで迫られている。
ただ、チームとしては時間が経つごとに、自分たちの時間帯になるという自信は深まっていた。「攻撃のときに相手が少しバランスを崩して攻めて来てくれるので、カウンターがすごくハマりそうだなという思いが前半からあった」と今野。先制点こそセットプレーの流れからだったが、カウンターで相手をけん制できるG大阪が主導権を握り続けた。
後半に入ると、ときおり見せるカウンターでチャンスを作り、守備では丹羽を中心とした最終ラインが相手のクロスボールに対してしっかりと対応。90分には倉田が倒されて得たPKを、遠藤が冷静に沈めて試合を決定付けた。まさに完勝といった試合内容で、連勝を『4』に伸ばしたG大阪。厳しい日程での連戦に向け、幸先の良い勝利をつかんでいる。(林 遼平)