試合は1本のプレーで決した。70分、突破を図った湯澤がPKを獲得。これを阪野が決めた。
サッカーはメンタルスポーツでもある。連敗を止めるだけでもチーム状況は変わったりする。悪くない試合内容でも勝ち点1すら奪えないのは“悪い流れ”ということなのだろう。まだ8試合。泥沼の6連敗にもラモス監督は「こぼれたミルクに泣いてもしょうがない」と悲観を取り除こうとしていた。
試合の主導権を握り続けたのは岐阜だった。出足の速さと球際への強度で栃木を上回ると、ボールを回しながら相手を押し込んでいく。もちろんそこからゴールに向かうときの拙攻は問題だったが、3連敗中の栃木は見るからにチグハグなチーム状態で、唯一の攻撃手段と言えば湯澤のドリブルのみ。だから岐阜の選手たちは“あの瞬間”を心底悔やんだ。
5連敗中の岐阜、3連敗中の栃木。両者ともに決定機は少なく、チーム状況の悪さを物語る一戦だったが、前者に与えられたのは勝ち点ゼロで、後者に与えられたのは完封勝利である。「ゼロで抑えられて良かったというのが素直な感想。内容はどちらに転んでもおかしくなかった」(菅)。今季初の無失点勝利で連敗を止めた栃木が、精神安定剤を手にした。(村本 裕太)