■名古屋グランパス
上昇気流に乗る名古屋。ベストメンバーという選択
重要な局面だ。7連戦という過密日程の最中、名古屋の新戦術は傍目にもハードな戦い方で、攻守の生命線である両ウイングバックには多大な負担が掛かるが、西野監督はベストなメンバーを送り出そうとしている。勝利を目指すことはもちろん、公式戦2連勝を生んだ新システムに手ごたえをつかんでいるからこそ、さらなるチーム成熟をにらんだ。
ナビスコカップでは首位に立っている。第3節・山形戦(3△3)はセットプレーから2失点を喫するなど同大会の3連勝こそ逃したものの、ここが一つの転機だったのかもしれない。この結果を受けた名古屋は、翌節のJ1・1st第5節・広島戦(2○0)で5バック気味の布陣を作る[3-4-2-1]の新戦術にシフト。指揮官が「守備をしっかり取れていることが全体の自信につながっている」と手ごたえを語るように、全員守備に軸足を置いたカウンタースタイルで上昇の機運を高めている。そして広島戦以降の変更点がもう一つ。失点の続いていたセットプレーの守備も、ゾーン+マンツーマンの折衷案に切り替えることで改善された。不安を取り除いた状態で、横浜FMの“十八番”と相まみえることができる。
ただし重要なのは先制点だ。リードを奪い、リードを広げていく展開はどこのチームにとっても理想であるが、遅攻に難を残すチーム事情と今季の公式戦4勝すべてで先制点を奪っている事実は無関係ではないだろう。守備から入る現在の名古屋にとっては絶対に欲しい一手であり、堅守が代名詞の横浜FMのことを思えば、なおさらその重要性は増してくる。リードを奪い、カウンターを出しやすい状況を作り出す。それが名古屋の描く青写真である。(村本 裕太)
■横浜Fマリノス
先発を大幅入れ替えも、戦力ダウンは心配なし
名古屋戦を2日後に控えた20日、エリク・モンバエルツ監督はこの試合の位置付けについて「シナリオとしてはナビスコカップの仙台戦と同じ」と語った。その仙台戦はナビスコカップ第1節(0●1)のことで、直近のリーグ戦から先発を9選手入れ替えて臨んだ。22日の名古屋戦では直近の浦和戦から7選手を入れ替えて試合に臨む可能性が高い。
指揮官は常々、「チーム全員で戦う」と話し、さらに「どんな試合でも勝ちたい」と口癖のように言う。二つの言葉を総合した結果が大幅な先発変更だが、プライオリティーはやはりリーグ戦にある。「疲労を溜めないように、試合に出ていない選手にプレー時間を与える」という言葉どおり、中澤や栗原といった主力選手の約半数はアウェイ遠征にも帯同しない。
それでも先発11人には富澤、藤本、兵藤、中町、小林といった経験豊富な顔ぶれが含まれている。脇を固めるポジションには比嘉や熊谷らフレッシュな選手が入るが、大きく戦力ダウンすることはない。
また、ベンチには中村とラフィーニャが入る。両選手の起用法についてモンバエルツ監督は「ラフィーニャは30分くらい、中村はそれよりもう少し長くできると思う」と明かす。中村は手術明けのコンディションで、ラフィーニャは昨年8月23日以来、約8カ月ぶりの公式戦だ。ベストパフォーマンスを見せられる状態ではなく、あくまで試合のリズムを取り戻すための貴重な機会と捉えるべきだろう。
その上で予選リーグ突破のためには勝ち点3が必要となる。戦力を維持しながら勝利を目指し、なおかつ週末のリーグ戦や、さらにその先を見据えたマネジメントでこの試合を乗り切る構えだ。(藤井 雅彦)