甲府の希望は、伊東、堀米、下田らニューヒーロー賞対象の23歳以下の選手と、15カ月ぶりにピッチに立つ40歳・土屋が引っ張る活力だった。
自分たちのキックオフから堀米がボールを追ってCKを奪うと、自らのキックで盛田の先制点をアシスト。16分のゴール前でのFKでは壁のズレとGKの動きを読んでボウリングのカーブボールのように壁の脇を回り込む軌道でゴールへ流し込み、貧打に喘ぐチームに自信をもたらした。「この日で人生が変わるくらいの気持ちで臨んだ」(堀米)と言うように、前線から積極的なボールアプローチでスプリントする姿は気迫がこもっていた。
前節から9人を入れ替えた甲府に対して、主力の約半分を先発させた新潟は後半に大井、コルテース、ラファエル・シルバを投入し、2-2の同点に追い付いた。それでも決勝トーナメント進出のためには最下位の甲府から確実に勝ち点3を奪いたかった。両チームの立ち位置を考えると明らかに甲府のほうが得たものが多く、「リアクションだけの守備ではなく、アクションを起こして奪いどころを作れた」と樋口監督が言うように、積極性がチームに戻ってきたことに大きな価値を見いだせる内容だった。(松尾 潤)