この日の広島は、良い意味でも悪い意味でも若かった。試合開始直後の4分の失点は、悪い意味での若さが露呈した。パスミスからボールを奪われると、鐡戸からオビナにボールがわたり、ファーサイドにクロスを供給。攻め上がっていた後藤のゴールで松本に先制を許した。オビナに簡単にクロスを上げさせたこと、後藤をまったくのフリーにしていたこと――。松本の一連の動作は巧みだったにしても、あまりにも自由にさせ過ぎてしまった。
しかし、ここから良い意味での若さが発揮される。つまり、早い段階での失点にも下を向かなかったことだ。まず26分に左CKから佐々木がヘディングで決めて同点に追い付くと、34分に野津田がオウンゴールを誘い、41分にはまたも野津田がゴール前中央でボールを受けると、グラウンダーのシュートで追加点。わずか16分間で一気呵成の3得点。
後半開始直後に石原がゴールを挙げ、松本に1点差に詰め寄られるが、森保監督は動じずにビョン・ジュンボンに代えて千葉を投入。燃え広がろうとしていた松本の攻撃の鎮火を図る。事実これで最終ラインは安定し、松本に追加点を許さなかった。67分には浅野のダメ押し弾が飛び出し、勝負は決した。(多岐 太宿)