勝負を決めたのはパトリックの芸術的ボレー
今年一番の暑さの中、両チームが決定機を作り合った見せ場の多い一戦は、三冠王者が力で相手をねじ伏せた。後半5分のロスタイムが終わった瞬間、ガッツポーズを作った長谷川監督とは対照的に柳下監督は、何かを思うように十数秒、ピッチを見つめたまま動こうとはしなかった。
「内容的にあまり良くなくても勝ち点3を取れるのがいまのチームの強み」。宇佐美の言葉どおり、決定力が両チームの明暗を分けたせめぎ合いだった。公式戦6連勝の勢いに乗りたかったはずのG大阪の前に立ちはだかったのは過酷な日程による疲労だった。「新潟も非常にアグレッシブなチームなので試合の入りには警戒したい」。G大阪はそんな指揮官の懸念が的中した前半だった。新潟の出足の良いプレスの前に劣勢を強いられ、立ち上がり早々の6分には右サイドからのクロスを山本に合わせられるなど序盤から新潟に主導権を握られる。
G大阪は相手のプレスを回避する上で不可欠な“戦術パトリック”を後半から採用し、ギアを入れた48分、GK守田の不注意につけこんだ宇佐美がボールをかっさらい、試合の流れを引き寄せる先制点を叩き込む。後半から鈴木を投入し、攻勢に出たかった新潟の気勢をくじくには十分な先制点だったが、新潟も鈴木のポストプレーから67分にレオ・シルバが同点弾を蹴り込み試合を振り出しに戻した。
高い気温は両チームの足かせとなり、次第にお互いバー直撃弾など決定機を作り合うノーガードの殴り合いに。最後は84分、パトリックが個の力で芸術的ボレーを叩き込み、新潟の息の根を止めた。
過密日程をモノともせず、リーグ戦で5連勝のG大阪。5月2日の浦和との直接対決に向けて、三冠王者は追走を止める気配はない。(下薗 昌記)