またもホームでロスタイム弾。ジャブを打ち続け、必然性を伴った劇的勝利
第7節の岐阜戦(4◯3)に続き、東京Vはまたもロスタイムで試合を決め、ホーム4連勝を飾った。一点目が入るまでは、ほとんどチャンスを生み出せなかったのも岐阜戦と同様であるが、冨樫監督を始め、チームは90分間トータルで勝ち点3を得るためにさまざまな策を講じ続けた。
試合のスタートこそ[4-4-2]のシステムで始めたが、後半に入るとブルーノ・コウチ―ニョが中央にポジションを移し始め、中後をアンカーに据える[4-1-4-1]、あるいは[4-1-3-2]のシステムを変幻自在に採用。途切れることなく揺さぶりをかけ続けて、徐々にではあるが攻略の糸口を見いだそうとした。それが、結実したのがロスタイムである。
少々時間がかかった感はあるが、成果が出たのはゴールが生まれなかった時間帯に出ていた選手も含め、相手の守備へ焦れずに圧力を掛け続けたことによるモノだろう。選手たちは変化する戦い方や状況に、戸惑うことなく適応し続け、冨樫監督も「フレッシュな選手が出ている間は0-0だったが、そこでのゲームの進め方で最後に大きく相手のスペースを空けて、南であったり菅嶋であったり、もちろん一番は永井が(1点目の場面のような)ああいう形で前を向いてプレーができるようになった。本当にチーム全体でのゲームだった」と語る。また、中盤の底が中後一人になったことで、空いたスペースを突かれ攻撃を受ける場面もあったが、最後まで失点を許さなかった守備陣の貢献も見逃せない。
先発と交代選手、あるいは出番のなかった選手も含め、それぞれが役割を果たした東京V。「勝ちに不思議の勝ちあり――」とは言うが、この勝利は劇的ではあっても、必然性を伴った勝利である。(石原 遼一)