千葉ペースは想定内。あえて選んだ現実路線
粘りに粘ってつかんだ勝ち点3だ。磐田のシュート数は千葉の半分の8本。今季、シュート数が一ケタだったのは第2節・京都戦(2○0)以来、7試合ぶり。決定機の数も限られた中、しぶとく勝利に結び付けた。
勝敗を分けたポイントの一つは、ジェイの先制ゴールだ。21分に先手を取ったことで、チームに落ち着きが生まれた。裏を返せば、序盤から千葉ペースだったということ。開始直後から磐田は相手のプレッシャーを受け、パスミスが目立った。先制後も前半の好機は38分のFKのみ。後半も終盤の松井のゴール以外には、ほぼチャンスを作ることができなかった。
ただし、これは想定内でもあった。攻守で自分たちからしかける『アクションサッカー』を掲げる名波・ジュビロだが、状況に応じて“割り切る”ことも辞さない。試合前、名波監督は千葉のプレッシングをイメージし、「怖かったら、序盤はセーフティーでもいい」と話していた。事実、序盤から千葉のプレッシャーを受けた際にはボールを失うリスクを考慮し、シンプルに前線を使う場面が目立った。もちろん、前線にワンチャンスを確実に生かせるFWジェイがいることも大きい。とはいえ、「ボールをつないでいないと言われれば、そうではない」と指揮官。千葉のハイプレッシャーに慣れてくると、徐々にボランチの宮崎、川辺がボールを動かし、リズムを作っていった。先制点を演出した松浦は、「自分たちらしいサッカーができない時間帯もあった。ただ、その中で勝ち切ることも大事」と語る。
主導権を握れずともチャンスを確実に生かし、勝ち切る――。換言すれば、“理想”を掲げつつ、“現実”も直視する。いま、磐田が首位にいる理由がここにある。(南間 健治)