攻守の大黒柱がチームに勝利をもたらした。
この日の水戸において攻撃で輝きを放ったのは、けがから復帰し、今季初先発を飾った船谷だ。序盤から好パスを連発して攻撃を組み立てると、圧巻だったのは20分。CKのこぼれ球に対して、ペナルティーエリア外から左足を一閃。GKもDFも一歩も動けないほど鋭い弾道がゴールに突き刺さった。自らの復帰を祝う貴重な先制ゴール。頼れる主将の強烈な一撃に、チームは勢い付いた。
守備では“水戸のレジェンド”GK本間が岡山に立ちはだかった。51分に今瀬のミスから与えたPKを「若手のミスをカバーするのがベテランの役割」と見事な読みでセーブ。さらに63分には新里のミスの流れから打たれた至近距離のヘディングシュートにも的確に反応し、ゴールを割らせなかった。「ここ数年で一番コンディションがいい」と語る38歳の守護神が圧倒的な存在感でゴールを死守した。
前半は攻守で圧倒しながらも後半は岡山のロングボール攻撃に苦しめられた。柱谷監督が「物足りなさを感じた」と言えば、「今日は運が良かったところがあった」と本間が振り返ったように、完封勝利ながらも盤石の勝利というわけではなかった。それでも勝てたのは要所で活躍する大黒柱がいたからこそ。若返ったチームの中で、彼らの存在の大きさをあらためて感じさせるゲームであった。(佐藤 拓也)