90分でシュート4本。しかも、ペナルティーエリア内から放ったシュートは1本もなかっただろう。東京Vは、最後まで攻め手がないまま、ホームでの連勝を『4』で止めることになった。
なぜそうなったのか。要因はいくつかあるのだろうが、一つは試合前のスカウティングにある。「大久保選手のところに当てるというサッカーだと思っていたが、ゆっくり回してサイドの裏を狙うことをすごくやってきた」(安西)。
東京Vは相手の長身FW大久保へのロングボールのこぼれ球をケアして、自分たちのポゼッション率を高めて試合を支配したかったが、そのプランは大久保が先発しなかった時点で崩壊していた。逆に[4-1-4-1]のアンカー・田村の左右のスペースをボール回しの起点にされ、序盤からピンチを招いていく。
ピッチ内で想定外の事態に対応できない中、冨樫監督は前半の20分あたりから安田のポジションを下げ、[4-2-3-1]にシステムを変更して対応したが、一度後手に回った流れが東京Vに傾くことはなかった。そもそも、スタートのシステムを採用したのは、「自分たちの良さをシステムのミスマッチで出せれば良い」(冨樫監督)と考えていたから。守備のためにミスマッチを埋めれば、試合がこう着していくのは当然だ。以降、両チームは相手のミスやセットプレー以外では得点の気配を感じさせることがなく、それをモノにしたのは直接FKを決めた横浜FCだった。(石原 遼一)