千葉の勝利を決めた序盤のセットプレー。熊本は泥沼5連敗で最下位転落
勝負を分けたのはセットプレーだった。「熊本はセットプレーからの失点が半数以上」(キム・ヒョヌン)であることは千葉のどの選手の頭にも入っていたが、熊本にその危機感があったのか。3分、千葉が右サイドのスローインから熊本の最終ライン裏にボールを送る。クォン・ハンジンが上げた足は町田の顔付近に入り、判定はPK。ネイツ・ペチュニクがこれをきっちり決めて、先制点が文字どおり千葉に“転がり込んだ”。熊本は気落ちしたように見え、10分後には自陣で軽率なファウルからFKを与え、キム・ヒョヌンに決められた。そもそも2分の段階で自陣でFKを与え、大岩にフリーでヘディングを許し肝を冷やしている。千葉の思惑どおりではあったが、熊本は緊張感を欠いた入りで自ら試合を難しくしてしまった。
ただその後は、熊本が巻をピッチに送り、「パワープレー状態」(高木)の猛攻をしかける。千葉は完全に「受ける時間帯になってしまった」(関塚監督)。後半に町田を下げて田代を投入。パウリーニョがアンカーの[4-1-4-1]に布陣変更するが、守備においてはそれほど効果的ではなかった。「ネイツ(ペチュニク)が疲れて追えなくなっていた」(田代)ことで前線からプレスが掛からず、熊本に決定的なチャンスが何度か訪れた。だが千葉は体を張った守備でそれをしのぐと、逆に70分、一列前に上がった佐藤健がカウンターから長い距離を走って熊本陣内深くで起点を作り、パウリーニョのゴラッソを呼び込む。「3点目を取られるまでに僕らがゴールを決められるか。そこで今日の勝負は決まった」(巻)。さらに81分、CKの流れから田中のクロスにキム・ヒョヌンが自身初の1試合2ゴール。完敗を喫した熊本は最下位に転落し、千葉は上位との差を詰め3位に浮上した。(芥川 和久)