■ベガルタ仙台
“攻撃のための守備”を実践できるか
「守備のための守備ではなく、“攻撃のための守備”をしなければ」。仙台の最後尾に構えるGK六反は、チーム状況を踏まえて今節を展望した。
仙台は現在、リーグ戦で4連敗中。2勝3分と開幕から5試合無敗だった序盤の勢いがなくなってしまった。この4敗の原因はさまざまだが、最も大きいのが、「球際、走力、切り替えで相手を上回る」と今季の当初から渡邉監督が掲げているチーム目標をピッチで体現できていないところにある。
前節・広島戦(0●2)は特にそれが顕著だった。指揮官は「『我慢しながら、勝ち急がない』という私の言葉がブレーキをかけ過ぎてしまったかもしれない」と反省したが、それだけに限らず個々の動きが鈍く、ボールを奪ってから多人数で前に出る鋭さを失っていた。
加えて、そのボールを奪うということについても、球際での1対1で後手に回れば、高い位置で守備から攻撃に切り替えることも、高い位置にボールを運ぶこともできない。
「行くべきときに、前に出る勇気を持って行かなければ。ホームゲームで勝ち点3を取らなければいけないのだから、なおさら相手のペナルティーエリア内でプレーをしたい」と金園。自らもシュートが1本にとどまった前節の苦い経験を今節に生かそうとしている。ここまで9試合を終えて5失点というFC東京の堅守を崩すためには、前へ出る勇気も加えて球際、走力、切り替えの勝負を制することが必要だ。
自分たちの良さを取り戻すにしても、さらに高いレベルでの新しい挑戦をするにしても、ベースとなるモノが疎かでは実践できない。基礎ができていない者には応用問題は解けない。守備のための守備ではなく“攻撃のための守備”を実践し、仙台は6試合ぶりの勝利をユアスタで手にしたい。(板垣 晴朗)
■FC東京
鬼門・ユアスタで4連勝を狙う
ユアテックスタジアム仙台と言えば、FC東京がJ1リーグ戦でこれまで一度も勝ったことがない場所である。さらに昨季、リーグ14戦無敗記録が途絶えた場所でもある。一昨季の天皇杯では勝利したものの、青赤にとって杜の都が不遇の土地であることに変わりはない。
「ジンクスとか過去とか、そんなことは本当に意識していない」。そう言ってのけたのは、前節・川崎F戦(2○1)の勝利の立役者である太田。「仙台戦もセットプレーでどんどんゴールに絡みたい。練習ではあれ以上たくさん蹴っているので大丈夫」と、自身の好調ぶりを重ねあわせて意気込みを語った。
川崎F戦は後半、前から積極的な守備を行い、セカンドボールを掌握していったところが勝因の一つでもあった。迎える仙台戦、相手は前線のウィルソンや金園に向けてロングボールを入れる作戦も持っている。勝負は競り合いの次のセカンドボール争い。今節も中盤勢の働きがカギを握る。「中3日での試合だけど、短い中でも仙台戦への確認はしている。特にMFがしっかりプレスバックしてボールを拾って、そこからサイドや前線に展開していきたい」。アンカーの位置で出色の働きを見せる梶山が、そのプレーイメージを膨らませていた。
現在3連勝中。昨季は14試合負けなしの最中も4連勝はなかった。今節勝てば、フィッカデンティ体制になって最長の連勝となる。「ウチは勝っていてもきちんとチームを修正する。マッシモ監督2年目になって、選手たちの飲み込みも早い」(権田)。今節も変わらず、守備で粘り、少ない好機でゴールネットを揺らす。その先に、仙台での歓喜が待っている。(西川 結城)