三村のスルーパスに抜け出した押谷がGKとの1対1を迎える。押谷の放ったシュートは鋭く間合いを詰めたGK桜井にストップされるも、まだ試合開始から1分も経過していない時間に訪れたビッグチャンスは、3試合勝利のない岡山に勇気を与えた。
矢島が独力で局面を打開して攻撃の起点となり、島田が両サイドを広く使って攻撃を組み立て、左ワイドの三村がドリブルでアクセントを付ける。岡山は勢い良く攻撃に出て行ったが、手数も迫力も足りない。「(相手は)怖さがないと思ったんじゃないかな」(押谷)。厚みのある攻撃はしかけられなかった。
もっとも、それは栃木も同じだった。徐々に運動量が落ちていった岡山を出足で上回って攻勢をかけた栃木は、ペナルティーエリア内にドリブルで進入して岡山の守備網を慌てさせるも、攻撃の厚みに欠けた。66分には湯澤が久木田を振り切ってシュート。個々が持ち味を出しながらゴールへ向かったが、チームとして大きなエネルギーを生み出せなかった。
勝利を手にするチャンスは両チームにあった。互いに譲らなかった守備陣の奮闘は称賛に値するが、注視すべきはゴールネットを揺らせなかった点だろう。「もっとやるべきことがあると再認識した」(長澤監督)。「決定力のところは今後も続けてやっていかないといけないとあらためて感じている」(阪倉監督)。両指揮官は宿題を持ち帰ることとなった。(寺田 弘幸)