試合としては決してクオリティーの高いモノではなく、ミスも含めてお互いに精度の低さが目に付いた試合。いずれも下位に低迷している要因が浮き彫りとなる内容だったと言わざるを得ない。それでも勝ち点差1で迎えた隣県とのライバル対決とあって、随所で激しい1対1のバトルが繰り広げられるなど、エンターテインメントとしては見ごたえがあった。
それをもたらしたのが、双方がシンプルに割り切った姿勢を貫いたこと。「前節(徳島戦/1△1)と同じ内容をフレッシュな選手に求めた」(田坂監督)という大分が、序盤からロングボールを多用して左右を起点に押し込んでいく。一方の熊本は「抑え切れなかった前節(栃木戦/2△2)の反省を踏まえて」(園田)これをしのぐと、中盤の構成を変え、徐々にセカンドボール争いで優位性を取り戻すことに成功。これで後半の流れは熊本に傾き、逆に大分がカウンターで一発を狙うという構図に。しかし、それぞれに迎えた少ない決定機も得点に結び付けることはできず、最終的には勝ち点1を分け合う結果になった。
ただ、両チームともに以前からの課題も見えつつ、短い期間のハードな連戦で最低限の結果を手にしたこと、またわずかながら光明が射した部分もあることは、選手たちの試合後コメントからもうかがえる。春の5連戦も次節が最後。厳しい序盤となっている両チームだが、この日の手ごたえを結果につなげたい。(井芹 貴志)