■課題は残るも、勝ち切ったことに意味がある
仙台サポーターの大歓声が、試合終了のホイッスルとともにため息へと変わった。3点リードをしていたFC東京は、88分からまさかの2失点。このままホームチームの勢いに飲み込まれてしまう雰囲気も漂った。しかし、何とかしのぎ切って白星をもぎ取った。鬼門・仙台でJ1リーグ戦初勝利。最後は胸を撫で下ろす、ヒヤヒヤの逃げ切り劇となった。
試合後、マッシモ・フィッカデンティ監督はロッカールームでご機嫌斜めだったという。3点差の完勝だったはずが、肝を冷やす勝ち方になったからだ。会見場に姿を現したときには落ち着きを取り戻し、チームへの自戒を込めてこう語った。「ポジティブな経験でもあった。選手たちは審判の笛がなるまで試合は何が起こるか分からないということを教訓にしたはず。いま、チームは徐々に成熟してきている。勝利とは何かを理解し、流れを読んで試合を構築できるようになっている。試合後の選手の顔を見ていると、皆が反省していた。それは良かったことだと思う」。
同じく森重も、主将目線でチームの反応を見ていた。「後半の終わり方は課題。ただ最後は勝てた。何より、試合後のロッカーでは選手みんなから『もっと自分がこうできた』という責任の言葉が出ていた。それはチームにとってはポジティブな空気だった」。
堅い守備をベースにするチームが終盤に2失点。これは「いまのFC東京ではあってはいけないこと」(権田)。ただ、過去のチームはこれまで散々勝負弱いと言われ続け、昨季も要所の試合で引き分けが多かったことも事実。「こういう試合で勝てないのがFC東京だった」(太田)。快勝を収めたビッグマッチ(前節・川崎F戦/2○1)後の大事な一戦。形はともあれ、最後に鬼門を突破し勝ち点3を手にしたFC東京に、少しずつ勝負強さが根付き始めている。(西川 結城)