この試合の勝因について、試合後の岩上はこう語った。
「甲府は後半になると明らかに足が止まっていた。足がつっている選手も何人かいたが、ウチは足を止めずに戦えた。2-0という結果は妥当だったのかなと思う」
もちろん甲府をリスペクトした上で、あえて岩上は妥当という表現を用いた。それは“自分たちのサッカー”が遂行できた自信によるモノだろう。7連戦の6試合目ということもあり、疲労は隠し切れない。事実、橋爪や伊東など甲府が誇るスピードスターたちもフィジカルが万全でなく、持ち味を発揮し切れない。前節のゴールで期待された伊東も「コンディションが戻っていなかった。前半を見ていても、動き出しやスピードのキレを発揮できなかった」(樋口監督)。
それでも、松本の選手たちは走り続けた。「いわゆるミラーゲームになると、オフとオンの1対1で差を付けるしかない」と反町監督が総括したように、同じフォーメーション、同じスタイルの相手では1対1での負けは命取りになる。だからこそ、反町監督は連戦で疲れが見えていた岩沼ではなく、リーグ戦初出場となる那須川を左ウイングバックで先発起用。課題は見られたが、持ち味のアグレッシブさを存分に披露した那須川の動きに触発されたかのように、後半頭から替わって起用された岩沼も攻守に積極的に関与した。後藤の負傷により新たな構成となった最終ラインも集中力を切らすことなく攻撃の芽を摘み続けた。
ひたむきに自分たちのサッカーを貫いて挙げた今季3勝目は、この先の大きな自信となるだろう。( 多岐 太宿)