前半は福岡の巧みなビルドアップを前にプレスがハマらず左右に広げられた栃木だが、後半は2トップの献身的なチェイシングから後ろがロックオン。48分、54分と本間が立て続けにインターセプトから決定機につなげた。この日の栃木はコンビネーションの精度も高く、特に左サイドからの崩しは見事。66分と74分には「左が一番得意で楽しい」という中美が小野寺と絡んでフィニッシュに持ち込んだ。後半は栃木が勢いと運動量で圧倒したが、「守備を120%でやった上でどう得点を取るか」(阪倉監督)という最後の課題が浮き彫りになった。ただ、数試合前の泥沼状態が嘘のようで、持ち味の堅守速攻のキレは復調したと言っていい。前半はゼロで進めて後半勝負。そのゲーム運びがこなれてきたのも一因だが、本間は「新たなメンバーが入って刺激があった」と明かす。GKを含めた守備陣がいわば紅白戦のサブ組に入れ替わったのが第8節・岐阜戦(1○0)。あれから6試合で、それまで『0』だった今季のクリーンシートは『4』に積み上がった。ただ、ボランチ陣はCBに若手や外国籍選手がいる連係面の不安を否定しない。指揮官はベテランの山形らに「何かあったらお前らの責任だ」と、そこのカバーを託しており、不安があるがゆえの細心のケアが堅守を復活させた側面もあるようだ。
一方の福岡は10試合連続無敗のクラブ記録を樹立。「崩されてもゼロで抑えたのは評価できる」(井原監督)と前を向いた。(鈴木 康浩)