今季に入って公式戦15試合連続で失点が続き、不安定だった鹿島の守備陣がようやく無失点を達成した。選手たち、特に守備陣は失点が続いていることにナーバスになっていた。CBの昌子は「これだけ失点が続いているのだから(ファン・)ソッコと俺のコンビもいつまでか分からない」と危機感を持ちながら、なんとかチームに貢献したい思いを強く抱いていた。
「攻撃陣にしたらこれだけ失点が続けば守備陣を信じられない。それでも点を取ってくれている。その期待に応えるのは俺とソッコとソガさん(曽ケ端)の仕事。体を張るのは青木さん、ナオ(植田)、山さん(山村)を含めたCBの仕事だと思う」
前半は、ディフェンスラインの背後にめがけて執拗にボールを蹴り込んでくる相手に対し集中力を発揮。決定機を作らせなかった。後半はフォーメーションを変えた相手に一転して苦戦。自陣に押し込まれる時間が長く続いた。それでもゴール前に陣取りクロスをはね返し続ける。
5日のACL・FCソウル戦(2●3)で命取りとなったセットプレーの守備を修正。「速攻はできなくなるがまずは失点しないことを優先しよう」という指揮官の指示の下、試合前々日からゾーンディフェンスに取り組んできた。決して完璧な守備ではなく、ニアサイドですらされる形からなんどもピンチを迎えたが、この日はゴールマウスも味方してくれた。
「シーズン序盤の連敗を止めたあとも一つ勝って流れが変わった。まず勝つことを求めてそこにゼロが付いてきたらうれしい」
試合前日、そう話していた昌子。疲労困憊になりながら、最後までゴールを守り抜いた表情は充実感にあふれていた。(田中 滋)