
合宿前日の会見で選手の“立ち位置”を明らかにしたハリルホジッチ監督
ハリルホジッチ監督は2日間のミニ合宿に28人のメンバーを招集した。前日の会見では基本システムの[4-2-3-1]に選手を当てはめ、ポジションとライバル関係を示した。
GKは当初6人体制を考えていたが、「もう二人呼ぼうと思っていたがけがをしてしまった」ため4人になったという。川島永嗣がリエージュ(ベルギー)で出番を失っている現状もあり、全体の中でも最も競争が激しくなりそうなポジションだが、その中で初招集されたのが仙台の六反勇治だ。恵まれた体格と高い運動能力を兼ね備える男は、ハイボールやクロスに対する勇敢な対応には目を見張るものがある。“GKの勇敢な対応”はハリルホジッチ監督が日本GKの課題に挙げる要素と一致しており、そうした可能性が評価されたのだろう。
29歳にして初選出となった丹羽大輝は本職のCBではなく、塩谷司とともに右SBに配置された。爆発的なスピードはないがフィード力とクロスの精度が高く、何よりマンツーマンでタイトな守備ができる。逆サイドの左SBの選手が攻撃的であることを考えても面白いチョイスではある。将来的に3バックのオプションを加える意味でもキーマンになり得る選手だ。CBではU-22代表の中心である岩波拓也が植田直通とともに入った。同ポジションには吉田麻也や森重真人がいるが、世界と戦う上でスケールアップが必要なポジションであり、若手の突き上げが求められる。
川崎FでCBを担う谷口彰悟はボランチが第一のポジションになりそうだ。5年4カ月ぶり選出となる米本拓司など、ボランチには守備能力に優れた選手がそろうが、谷口はそこに高さを加えることができる存在だ。また、ハリルホジッチ監督が求める“一人飛ばすパス”をどんどん出してアピールしたいところだ。
待望の初選出となった左利きのMF遠藤康は柴崎岳とともにトップ下に配置され、鹿島のチームメート同士で競争する構図となった一方で、20歳の快足FW浅野拓磨が永井謙佑と同じ右ウイングに入っており、トップ下とウイングに求める役割の違いがはっきり表れている。
川崎Fで出番が少ないにもかかわらず今回招集された杉本健勇に関しては、ハリルホジッチ監督は「勇気を持ってもらって向上させようと思う」と語っており、日本人離れした身体能力を持つ長身FWに成長をうながす意図があるようだ。現役時代は欧州トップクラスのFWとして鳴らした指揮官のフィーリングが、前線に大きな武器をもたらす結果となるか注目だ。(河治 良幸)