Feature 特集

[日本代表]前に、速く、正確に。ハリルジャパンが目指すモノ

2015/5/15 14:43

2日間、ピッチ内外で熱のこもった指導を行ったハリルホジッチ監督



恒例のミーティングではCL準決勝の映像を


 米本拓司のクロスから川又堅碁が豪快なボレーを決めた瞬間、白髪の指揮官は手を叩きながら練習終了のホイッスルを吹いた。最後に28人の選手とスタッフたちが円陣を組んだ。そして大きな掛け声とともに、今回の合宿が幕を閉じた。こんなところにも、「全員で団結する」というヴァイッド・ハリルホジッチ監督の哲学が表現されていた。「トレビアン! トレビアン!!」と指揮官もご満悦な表情だった。

 2日間(12、13日)にわたって行われた今回の日本代表候補合宿。初日の練習では武藤嘉紀が右ひざを打撲するアクシデントが起きてしまった。武藤は翌朝に千葉県内の病院で検査。結局、大事には至らず、2日目はグラウンドで軽く体を動かした。また山口蛍も昨年負傷した右ひざの状態を考慮し、2日目は軽いメニューをこなすだけとなった。

 離脱者が出てしまったが、練習は熱を帯びていた。初日にはミニゲームが行われ、新しい選手たちも「すんなりチームには入れている」(米本)と、早速戦術の吸収と自身のアピールに汗を流した。浅野拓磨が持ち前のスピードを生かした裏への抜け出しで存在感を出すなど、若い選手のフレッシュな動きにチーム全体も活性化していった。「3月の指導と同じように、ボールを奪ってすぐに前に速くということが全員に伝えられた。自分たちもさらに理解を深めていかないといけない」(太田宏介)と、前回から継続して選ばれた選手たちもいま一度気を引き締めていた。

 ハリルホジッチ監督の代名詞ともなっている長時間のミーティング。今回も初日の夕食後に約1時間半行われた。「ピッチの外でも私の哲学を伝えたい」。これはいまや監督の口癖だ。今回はCLの準決勝・バルセロナ対バイエルン・ミュンヘンの1stレグ(3-0)の映像を選手たちに見せた。「君たちのプレーと判断スピードはまだ遅い」。インテンシティーの高い世界最高レベルのプレーを日本にも植え付けようと、指揮官も選手たちに厳しい言葉を投げかけた。

 2日目の練習では攻守二組に選手を分けて、攻撃側は速さと正確さを求めた連係メニューを、守備側はインターセプトやクロスへの対応を入念に行った。

「戦術の共通理解を深めただけでなく、新しい選手もいて、厳しい競争が始まると思う」(永井謙佑)。チームには一体感とともに確実に新たな競争意識も生まれていた。緊張と緩和。チームに漂っていたこの絶妙な空気感こそ、ハリルホジッチ監督が最も望んでいた雰囲気だったに違いない。(西川 結城)

EG 番記者取材速報

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