■ガンバ大阪
攻撃サッカーの雄として「相手より1点でも多く取る」
三冠王者はどこまでもどん欲だ。ACLのラウンド16進出をつかみ取った勢いで挑んだ前節の広島戦。上位陣の足踏みに歩調を合わせることなく、1-0で勝ち切り3位をキープ。浦和との勝ち点差を『2』とし、優勝争いに踏みとどまっている。7連戦にピリオドを打ち、ひさびさに1週間のインターバルをおいて挑める川崎F戦だが、4日後にはACLラウンド16の戦いの幕が切って落とされる。ただ、長谷川監督の目には目前に控える川崎F戦しか映っていない。「リーグはリーグで大事。温存は考えない」(長谷川監督)。13日の練習から完全合流した米倉と、広島戦で3試合ぶりに先発復帰した岩下も万全ではないが、まずは現状のベストメンバーで川崎Fを迎え撃つ。
連戦中は体力の回復と、内容よりも結果にこだわってきた指揮官だが、好調なチーム状態にも決して満足感は見せていない。リーグ戦だけを振り返るならば直近の3試合で奪ったのはわずか2点。二度の「ウノゼロ」を見せた手堅さは健在だが、やや爆発力を欠いているのが現状だ。「川崎Fは無失点で抑えるのは難しいチーム。相手より1点でも多く取れるかもポイントになる」(長谷川監督)。宇佐美やリンスらFWの個の力でゴールをこじ開けているものの、攻守両面で組織的なサッカーを目指すのが長谷川ガンバ。ポゼッションへのこだわりはもはやチームにはないが、攻撃サッカーの雄として川崎Fに遅れをとるわけにはいかない。
もっとも、いまのG大阪は相撲に例えるなら強引な突き相撲だけでなく、うっちゃりや土俵際での粘りも持ち合わせている。「守備でも攻撃でも力の出しどころが分かっているから、したたかなサッカーができる」と胸を張るのは攻守のキーマン阿部である。宇佐美ら日本代表候補5人のコンディションも不透明なだけに、圧倒することはできないかもしれないが、守備に大崩れはない。打ち合いだろうが、ロースコアだろうが、目指すのは勝ち点3だけだ。(下薗 昌記)
■川崎フロンターレ
舞台はリーグ戦未勝利の地、万博。鬼門での初勝利を誓う
首位との勝ち点差は『7』であり、1stステージの残り試合数は『6』。この状況では自力によるタイトル奪取を実現させるのには難しく、他力にすがらざるを得ない状況にある。
「全部勝ったとしても他力になるので、1stステージは取れないかもしれない」
立たされた状況を冷静に見つめ、角田はこう話す。だが、直後にこう続けた。「年間をとおして勝負は続いている。いまから一番最後を見るのも難しいし、まずは目の前を戦いたい。次はガンバで、いい相手ですしね」その”いい相手”であるG大阪だが、今節の戦いの場である万博記念競技場は川崎Fにとっての“鬼門”の一つ。最後に勝ったのは09年のACLラウンド16(3○2)だが、リーグ戦に絞れば未勝利の地。中村に次いで在籍歴が長い井川も「勝ててないイメージがある」と言うが、逆にここで勝利を収めることでチームには大きな自信となるだろうし、成長の証とすることができるに違いない。そういう意味では決してネガティブに捉える必要はない。
先日行われた日本代表候補合宿に全ポジションから選手を輩出したG大阪は疑うことなくJ屈指の強豪。だが、川崎Fは相手のサッカーを“受け”、対策を講じるチームではない。主眼を自らに置いて戦う以上、相手の質や選手の名は関係ない。「(相手が)ガンバだから(何かを意識する)とかはまったく(ない)」。船山のこの一言がすべてを物語る。自分たちが“やるべきこと”をやれば勝ち点3は自ずと近付き、それを一つでも二つでも、できなければ勝利の確率は下がる。その“やるべきこと”の代表格は「自信を持ってボールを受け続けること」。1-4の大敗を喫した1st第8節・柏戦はそれができず、チームの歯車は回らなかった。3連敗をストップさせた前節・名古屋戦(1○0)の勝利を無駄にしないため、そしてチームの飛躍を証明するために、”鬼門攻略”へ挑む。(竹中 玲央奈)