甲府はリーグ戦今季初の複数得点で山形を下す
佐久間新監督は就任してからの3日間の練習すべてで入念に山形対策を施した。気になることがあれば止めて修正する手法が多い紅白戦や、フルコートでセットプレーの練習を行ってきた。試合は12分に甲府で最高品質のアタッカー阿部拓が最終ラインの前の空いたスペースからミドルシュートを叩き込んだ。今節のノルマを勝ち点1としていたチームにとって、この先制点は大きな勇気をもたらした。ただ、フィジカルの利点を生かし、連続して裏を狙って後手に回らせる山形のパスワークは脅威で、もう1本通されは平均年齢36歳の最終ラインの奮闘と両ウイングバックの懸命の絞り、山形のミスに助けられて守り切る。ただ後半に不安がある甲府は1点のリードでは裸同然。バレーの電池が切れる前に追加点が欲しかったが、29分のPK奪取は、いつもは上がらないマルキーニョス・パラナがエリア内で倒されて得たモノで、パスを出したのはバレーだった。このチャンスをバレーが決めると、甲府は今季リーグ戦初の複数得点。山形は35分に1点差に戻すチャンスがあったが、松岡が演出した決定機をロメロ・フランクがシュートを浮かせてしまったことが悔やまれる。
後半は甲府がギアをアップできず、64分にバレーに代えてアドリアーノを投入しても効果薄。山形がボールを握る時間が長く続いた。散々後半に失点をしてきた甲府にとってはイヤな記憶が蘇る流れだったが、これまでと少し違ったのは稲垣をシャドーからボランチの位置に下げ、ウイングバックも低い位置で守備に重点を置いたこと。その中で、カウンターのチャンスも狙うことができた。67分にはキレキレの阿部拓が左サイドから入れた決定的なボールに稲垣が走り込んだが、シュートはホームラン。それでも2-0と無失点で山形を倒したことは佐久間新体制としては満足の船出。自信と活力がチームに戻ってきたことが大きい。(松尾 潤)