横浜FMにとっては、お世辞にも内容が良かったとは言えない試合だ。トップ下に三門を配し、中町と喜田がボランチコンビを組む布陣は、中盤でのボール奪取から縦方向に素早く攻める攻撃を志向したモノ。しかしそういった場面は皆無で、前半はプレスが掛からず相手の攻勢に防戦一方となる。24分にゴール目前から大前に許したシュートなど被決定機もあり、失点しても不思議ではない内容だった。チームのファーストシュートで先制し、シュート1本でリードして前半を折り返せたのは出来過ぎである。
三門の先制点をアシストし、その後も攻撃をけん引した齋藤からは反省の弁ばかりが並んだ。
「今日は自分にミスが多くて、それが原因で難しい試合にしてしまった。簡単にできるゲームを難しくしてしまった責任を感じている」
攻撃に移るタイミングでのミス頻発によるボールロストは最近の課題だ。それだけでなくポゼッションからの攻撃もままならない。エリク・モンバエルツ監督はポゼッション能力よりもボール奪取能力やハードワークを選手選考で重んじているのだから、当然の結果だろう。それで守備も機能しなければ、試合の主導権を握れるハズがない。
後半、藤本の得点で勝ち越してからは、リードしているにもかかわらずリスクを負ったプレーでカウンターのピンチを招く。横浜FMは自滅に近い形で清水にチャンスを献上していた。こうして勝ち取った3連勝に浮かれている選手は一人もいなかった。
とはいえ試合を戦う上での最終目標はやはり勝利で、3連勝には価値がある。首位の背中が見えない5位ではあるが、2位以下との勝ち点差は確実に縮まっている。中澤は内容面の課題を指摘しつつ「苦しみながらだけど勝ち点を積み上げて、上(のチーム)が少し見えてきた」と状況の変化を口にした。『勝ちながら反省する』を繰り返し、横浜FMは少しずつ前へ進んでいる。内容の進捗を求めながらも、いまは結果を出していくことが肝要だろう。 (藤井 雅彦)