流れを引き寄せた闘莉王のFW起用
両チームとも離脱者続出の影響もありベストメンバーを組めない中、清水は直近のリーグ戦から先発総入れ替えで挑み、名古屋も小屋松、佐藤らフレッシュな選手を起用した。
序盤から、体格差や経験の差を補うべく、スピードとテクニックで相手を翻ろうする清水。20分、水谷が大きく右サイドに展開すると、枝村がワントラップからゴール前、GKとDFの間に絶妙なクロスを入れる。そこに走り込んだのはルーキーの北川。滑りながら左足で押し込み、北川のプロ初得点で清水が先制する。その後も清水がチャンスを作り続け、1点リードで前半を終える。
後半に入ると名古屋は「闘莉王をオフェンシブに置くことは最終的なオプション」(西野監督)と“奥の手”である闘莉王とノヴァコヴィッチの2トップで反撃に出る。そして、この采配が奏功。体格で勝る名古屋は2トップを中心にジリジリと相手を押し込み、サイドは途中出場の永井、矢野が完全に支配する。
そして迎えた66分、永井がドリブル突破からクロスを上げると、闘莉王がゴール中央でつぶれ、ファーサイドでフリーだった小屋松が「ダフってしまった」という左足のシュートで同点弾を叩き込む。さらに86分、矢田のFKをノヴァコヴィッチが頭で合わせて逆転。ノヴァコヴィッチの高さに清水の選手たちは対応できなかった。
この勝利で5戦無敗の名古屋は勝ち点を『13』に伸ばし、3年ぶりに決勝トーナメント進出が決定。ただ、西野監督は「闘莉王をあのポジションで使いたくはない。オフェンス陣に奮起してほしい」と複雑な胸中ものぞかせた。(田中 芳樹)