
柏のシステムの核となるアンカーを務める茨田。攻守に存在感を発揮し、敵地での勝利に大きく貢献した
“対韓必勝法”でアウェイゴールと勝ち点を奪取
柏はなぜ韓国勢に強いのか――。試合のたびに韓国側の記者が吉田監督へぶつける質問だ。この水原三星戦はACLにおける10度目の“柏韓戦”だが、通算成績は7勝2分1敗。指揮官、スタイルが変わった今大会も、ここまで2勝1分だ。
吉田監督は「たまたまのモノ」と説明して相手メディアの“プレス”をいなした。しかしこれだけ結果が積み重なっているのだから、すべてが偶然ということはないだろう。相性という切り口も十分ではなく、現にこの試合は韓国キラーの工藤が先発から外れた。2年前の対戦(13年4月3日・グループステージ第3節/6○2)で2点を決め、今回も水原三星側は要警戒選手として真っ先に彼の名を挙げていた。にもかかわらず、「中央の分厚さを出したかった」という吉田監督は工藤を外し、それが奏功した柏はセカンドボールの争奪といった中盤のバトルを、後半途中まで互角以上に進めた。
差が出たのはやはりボールを持つ、動かす部分だろう。相手が強く踏み込んで来たらボールを下げ、足が緩んだらすかさず横、前につける。食い付かせて振り回し、ボールの“矢印”がめまぐるしく変わる。そんなビルドアップで球際の勢いを逆手に取る展開は、全北現代戦に続く今季の“対韓必勝法”だ。
柏は1分に先制を許したがすぐに追い付き、29分にはレアンドロがPKを成功。55分にもカウンターから再びレアンドロが決め、2点のリードを奪った。アウェイゴールを得たことも含め、3得点目までは文句のない試合運びだった。
一方で終盤の柏は前後の間延びが生じ、強みも損なわれた。水原三星15本、柏7本というシュート数が示すように展開は苦しいモノだった。「距離感を良くして、プレッシャーを掛けられれば、外されたとしてもそんな問題はおきない。奪ってからも近い距離にいるので、自分たちのリズムでつないでボールを持てる」と鈴木は口にする。その点がチームの次なる課題であり、進化の余地だろう。(大島 和人)