浦和が首位に立つ理由が見えた試合
この試合は浦和が勝つべくして勝った試合ではなかった。しかし、浦和が首位に立つチームの力を見せ付けることはできた。頂点に立つチームの強さが、そこにはあった。
ペトロヴィッチ監督は試合後、「ゲーム内容に関しては不満足だ」と話したが、その理由は主に前半、鹿島のカウンターを警戒して慎重にリスクを負わない形で試合を進めた中で、「運動量、球際の強さ、攻守の切り替え、連動性が浦和のサッカーのベースになるが、前半はそういったところで相手に上回られた」(ペトロヴィッチ監督)からだ。その流れが後半も続くと、67分にはロングボールに対して森脇と西川の連係が合わずにオウンゴールで失点。思いどおりに試合を運べない中での失点はあまりに痛かった。
しかし、ピッチ内での捉え方は違った。「全然大丈夫」、「落ち着いていこう」。失点に動揺することなくピッチ内の選手たちは冷静だった。そしてこの日の浦和はここから変貌を遂げた。運動量や球際の戦い、攻守の切り替えで鹿島を上回ると、71分には興梠のスルーパスに反応したズラタンからの折り返しを武藤が決めて同点。さらに83分には素早い攻守の切り替えからボールの入ったジネイを囲み、ボールを奪取すると左サイドでフリーになっていた関根にボールがわたる。関根は迷わずカットインからゴールを決め、逆転に成功した。
内容からすれば「引き分けが妥当な結果」(ペトロヴィッチ監督)であり、「自分たちで難しくしてしまった」(武藤)。ただ、決して理想どおりではない内容の中で先制を許しながらも気落ちしなかったのは、これまでの戦い、結果からくる自信だろう。まだ何かを成し遂げたわけではない。先のことは分からない。しかし、これだけは言える。いまの浦和は、強い。(菊池 正典)