
敵地で3つのアウェイゴールを奪い勝利した柏。圧倒的に有利な状況だが、ホームでも勝って次のステージに進みたい
柏の勝ち上がりの条件
勝ち、引き分けor0-1、1-2での負け
快進撃の一因は“つぶしどころのなさ”
ACLの勝ち上がりを振り返ると、柏はいろいろな選手が日替わりでヒーローになっている。グループステージ第2節・ビン・ズオン戦(5○1)で工藤が2ゴールを挙げ、第3節・山東魯能戦(2○1)は輪湖が決勝ゴール。第4節・山東魯能戦(4△4)ではクリスティアーノが2点を挙げ、第5節・全北現代戦(3○2)でも武富が2点を挙げた。19日のラウンド16第1戦(3○2)は、レアンドロが2得点1アシストでマン・オブ・ザ・マッチに輝いた。
快進撃の一因はこのような“つぶしどころのなさ”だ。個のバトルが強く意識されるACLでは、相手のエース格を思い切ってつぶしに行くチームが多い。しかし柏には攻略するスペースを共有し、全員でボールを運ぶスタイルが根付いている。水原三星は第1戦を受けて第2戦ではレアンドロを警戒してくるだろうが、そうすればほかの選手への対応が緩むはず。点を奪おうと前からハメてくれば、クリスティアーノのパワーとスピードを使って“一発”でひっくり返すこともできる。相手の策を逆手に取るイヤらしさを柏の攻撃は持っている。つまりこの試合の崩しのポイントは“レアンドロ以外”になる可能性が高い。
相手が先回りしてスペースを消すJリーグの守備に、今季の柏はまだ苦労している。しかしアジアの戦い、特に韓国勢との戦いでは優位に立っている。「流動的にちょっとずつでもポジションを動かしたほうが相手はやりづらい」と大谷が説くように、第1戦は茨田の思い切った攻め上がりから試合が動いた。
もちろん水原三星は強敵で、第1戦の結果は途中経過に過ぎない。2-3のスコアで90分が終われば試合は延長に入り、PK戦の可能性もある。しかし柏はグループステージを1位で勝ち上がり、第2戦をホームで戦う権利を得た。苦しい状況でも大声援を背に戦えるし、望む結果を手に入れれば喜びをサポーターと分かち合える。相手の出方を冷静に見極めて、それを逆手に取る柏の戦いができれば、また新しいヒーローの誕生を目にすることができるだろう。(大島 和人)