■サンフレッチェ広島
「自分の未来をつかみ取る気持ちを持ってやってほしい」(森保監督)
この試合で敗戦はもちろん引き分けでも予選リーグ敗退が濃厚となる。広島は勝つしかない追い込まれた状況でFC東京を迎えるが、だからこそ選手たちの頭の中はクリアだ。浅野が「勝つことしか考えていない」と語れば、野津田は「勝てる自信はある。僕たちが力を発揮すれば勝てるんだということを証明したい」と勇んでいる。
大幅にメンバーを入れ替えてナビスコカップに臨んできた森保監督は、今節もそのスタンスを変えない。指揮官は「勝てると思っているから送り出している」と選手たちに信頼を伝えており、選手たちは「期待に応えたいとみんな思っている」(清水)と気概に満ちている。出場停止となるビョン・ジュンボンの代わりには千葉や塩谷の起用も考えられたが、指揮官は昨季加入した吉野を起用する構えだ。ようやく広島デビューが濃厚となった20歳のDFは「今までやってきた成果を発揮する場にできれば」と語る。そして、23日の明治安田J1・1st第13節・新潟戦は出場停止だった青山もベンチからスタートすることになりそう。指揮官は、「経験の浅い選手たちには自分の未来をつかみ取る気持ちを持ってやってほしい」と、期待を込めた。
個の突破力が特徴のFC東京の攻撃を抑え、森重がまとめる堅い守りを打ち破る。若いチームに課せられたタスクは非常に難易度の高いモノだが、アグレッシブさや走力で上回って光明を見いだしたい。求められるのは美しい連係ではなくがむしゃらさだが、そのことは全員が理解している。「泥臭くプレーして相手より1点でも多く得点を取って勝つという気持ちでやりたい。それが自分の成長にもつながる」(野津田)。若い広島はどん欲にゴールに向かい続けて、未来を切り開いていく。(寺田 弘幸)
■FC東京
チームの現状打破のためにも勝利は不可欠
この試合に勝てば、予選リーグ突破が決まる。とはいえ、FC東京の現状は危機感に包まれている。
リーグ戦ではよもやの3連敗中。4月下旬から5月の連戦では、序盤は勝ち星を重ねたものの、明治安田J1・1st第11節の鹿島戦で敗戦(0●1)すると、翌12節の首位攻防戦と銘打たれた浦和戦でも大敗(1●4)。そして極めつけは直近に行われた第13節・名古屋戦での完封負け(0●1)。たった約2週間前までは首位浮上のチャンスに意気揚々となっていたチームは、ショッキングな敗戦の連続に急速に下降の一途をたどってしまっている。
マッシモ・フィッカデンティ監督の動きからも、少し動揺が見て取れる。名古屋戦翌日の24日の練習では簡単な室内ミーティングを行ったあとグラウンドに出ることはなく、そうかと思えば25日の練習では約40分もの長い時間青空ミーティングを実施。また全体練習が終わったあとには攻撃陣だけを集め、さらに長時間の熱弁と連係面を指導。こうした普段のルーティンを崩す作業が続いており、これが吉と出るかどうかは、ピッチでの結果を見ていくしかない。
ここからチームはさらにリズムを乱していくのか。当然、選手たちはその流れを止めたい一心だ。主将の森重はこう話す。「厳しい状況の中で、どれだけパワー、エネルギーを持って取り組めるか。勝っているときは何も変えなくてもいい。うまくいかないときこそ、いろいろなことを見つめ直して一つになるべき」。エースの武藤もそれに続く。「自分たちが置かれている状況を理解して、メンタルも戦術も、ここで踏ん張れるかが問われる」。失速気味のFC東京。予選リーグ突破はもちろんのこと、チームの現状打破のためにも広島戦の勝利は不可欠だ。(西川 結城)